リフォーム減税とは?方法や注意点
リフォームをする際には、減税制度を利用する事が出来ます。
一定の要件を満たしている必要はありますが、支払う税金が少なくなるため結果的にリフォーム費用を軽減可能です。
しかし、リフォーム減税制度の種類は1つではなく、申請出来る工事の内容も複数あります。
そのため、これから行おうとしているリフォームがどの減税制度の対象となるのか、どのような形で税金が減額されるのかを知っておく事が大切です。
リフォーム減税制度の種類と対象となる工事についてチェックしていきましょう。
リフォーム減税制度の種類
リフォーム減税と一口に言っても複数の制度が存在するため、自分がどの制度を利用出来るのか理解しておかなければなりません。
工事の内容はもちろん、リフォームローンや資金援助の有無など、費用を捻出する方法によっても利用出来る制度は異なります。
また、減税される金額に上限がある点にも注意が必要です。
上限を知らずにリフォームの内容を決めてしまうと、負担が想定以上に重くなってしまう事もあるでしょう。
現在利用出来るリフォーム減税制度は、以下のような物が挙げられます。
所得税の控除
所得税の控除は、リフォーム減税制度の中でも最も一般的な物です。
所得税から一定額が控除されるため、支払う税金の額が通常より少なくなります。
サラリーマンであっても、確定申告を行えば税金の還付を受ける事が可能です。
耐震リフォーム以外の場合、2021年12月31日までにリフォームを完了して実際に住み始める事が条件となります。
耐震リフォームは、2021年12月31日までにリフォームが完了していれば大丈夫です。
所得税の控除はローンの有無や期間などによって、さらに複数の種類に分けられます。
具体的には、投資型減税・ローン型減税・住宅ローン減税の3つです。
投資型減税
投資型減税は、工事費用の10%を所得税額から控除出来る減税制度です。
工事の内容に応じてそれぞれ控除可能な金額に上限があります。
限度額は、耐震リフォーム・省エネリフォーム・同居対応リフォーム・耐久性向上リフォームが25万円、バリアフリーリフォームが20万円です。
ただし、省エネリフォームであっても太陽光発電装置の設置が工事内容に含まれるのであれば、35万円が上限となります。
なお、補助金を受け取る場合には、その分減税の対象となる金額が減りますし、所得税以上に控除される事もありません。
ローンを契約しなくても減税を受けられる点が、他の所得税控除と異なります。
ローン型減税
返済期間が5年以上のローンを契約して行うリフォームで利用出来る減税制度です。
ローンの中でリフォーム工事の費用に当たる部分(最大250万円)の2%分と、それ以外の工事費用(最大1000万円)の年末ローン残高の1%分を合計した金額が、リフォームした家に住み始めてから5年間、所得税から控除されます。
限度額は1年あたり12万5,000円、つまり合計で62万5,000円です。
ただし、消費税率の引き上げによって、限度額が変更になる可能性があります。
住宅ローン減税
返済期間が10年以上のローンを契約して行うリフォームで利用出来る減税制度です。
リフォームした家に住み始めてから10年間、1年ごとに住宅ローン年末残高(最大4,000万円)の1%が所得税から控除されます。
限度額は1年あたり40万円、全期間合計で最大400万円です。
また、控除額が所得税を上回っていた場合、翌年の住民税が最大13万6,500円控除されます。
控除額は大きいのですが、リフォーム費用が100万円以上(補助金を除く)、リフォームする家の面積が50平方メートル以上などの条件が存在するので注意してください。
固定資産税の減額措置
リフォーム工事の内容によっては、固定資産税の減額措置を受けられる事もあります。
減税される固定資産税の金額は、以下の通りです。
リフォーム内容 | 減額の割合 | 床面積の上限 |
---|---|---|
耐震リフォーム | 2分の1 | 120平方メートル |
省エネリフォーム | 3分の1 | 120平方メートル |
バリアフリーリフォーム | 3分の1 | 100平方メートル |
耐久性向上リフォーム | 3分の2 | 120平方メートル |
固定資産税の減額措置を受けられるのは、2019年度までに工事が完了するリフォームのみです。
また、工事の内容に複数の目的を含む場合でも、固定資産税の減額措置の併用は出来ません。
贈与税の非課税借置
リフォームをする際に、親や祖父母から資金を援助してもらう場合、贈与税の非課税措置を受けられる可能性があります。
直系尊属からの資金援助である事、資金援助された年の翌年3月15日までにリフォームを行う事が減税の条件です。
また、家の床面積にも50平方メートルから240平方メートルという条件があります。
非課税となる上限の金額は700万円です。
ただし、耐震性や断熱性などで一定の基準を満たした場合には、1,200万円となります。
なお、この上限は2019年度までの数字で、2020年以降に少しずつ変更されていく予定があります。
リフォーム別減税比較一覧表
耐震 | バリアフリー | 省エネ | 同居対応 | |
---|---|---|---|---|
控除率 | 10% | 10% | 10% | 10% |
控除の限度額 | 25万円 | 20万円 | 25万円(35万円※1) | 25万円 |
控除期間 | 1年 | 1年 | 1年 | 1年 |
耐震 | バリアフリー | 省エネ | 同居対応 | |
---|---|---|---|---|
控除率 | - | 2%(+1%)※2 | 2%(+1%)※2 | 2%(+1%)※2 |
控除の限度額 | - | 12万5,000円/年 | 12万5,000円/年 | 12万5,000円/年 |
控除期間 | - | 5年 | 5年 | 5年 |
耐震 | バリアフリー | 省エネ | 同居対応 | |
---|---|---|---|---|
控除率 | 1% ※3 | 1% ※3 | 1% ※3 | 1% ※3 |
控除の限度額 | 40万円/年 | 40万円/年 | 40万円/年 | 40万円/年 |
控除期間 | 10年 | 10年 | 10年 | 10年 |
耐震 | バリアフリー | 省エネ | 同居対応 | |
---|---|---|---|---|
減額率 | 2分の1 | 3分の1 | 3分の1 | - |
床面積の上限 | 120平方メートル | 100平方メートル | 120平方メートル | - |
減額期間 | 1年 | 1年 | 1年 | - |
耐震 | バリアフリー | 省エネ | 同居対応 | |
---|---|---|---|---|
非課税となる上限 | 700万円
(1,200万円※4) |
700万円
(1,200万円※4) |
700万円
(1,200万円※4) |
700万円
(1,200万円※4) |
※1 太陽光発電装置の設置を含む場合
※2 リフォーム工事費用(最大250万円)のローン残高の2%分とそれ以外の工事費用(最大1000万円)の年末ローン残高1%分
※3 年末ローン残高(最大4000万円)の1%
※4 耐震性や断熱性などの基準を満たした場合
リフォーム減税制度の対象となる工事
どんな工事であっても、リフォーム減税制度の対象となる訳ではありません。
税金が減額されるためには、一定の要件を満たす事が必要となります。
リフォーム減税制度の種類の解説でも軽く触れていますが、工事の内容によって控除額の上限が変わる場合もあるので気を付けましょう。
また、一見すると該当するように思えても、実は対象外になるリフォームも存在するので注意しなければなりません。
減税制度の対象となる主なリフォームは、以下の通りです。
耐震リフォーム
耐震リフォームは、住宅の耐震性を高めるために行うリフォームの事です。
基礎部分や柱など主要な構造部分の耐震性を補強する工事であれば、減税制度において耐震リフォームとして扱われる可能性があります。
ただし、耐震性を高めるのであれば、どんな内容でも良いという訳ではありません。
現行の耐震基準に適合させる工事のみが減税制度の対象となります。
現行の耐震基準になってから建築された住宅は、基本的に対象とならないので注意してください。
バリアフリーリフォーム
高齢者や要介護者、障がい者の住む家を生活しやすいようにリフォームする場合、減税制度上でバリアフリーリフォームとして扱われます。
高齢者の基準は、本人であれば50歳以上、同居する親族であれば65歳以上と家の所有者によって変わるので注意が必要です。
具体的なリフォーム内容としては、通路の幅を広げる、段差を解消する、手すりを取り付けるといった工事が挙げられます。
また、トイレや浴室を改良して使いやすい物にするリフォームも、バリアフリーリフォームに含まれる工事です。
省エネリフォーム
リフォームによって家の省エネ化を進める場合、省エネリフォームとして扱われる可能性があります。
床・壁・天井の断熱工事や太陽光発電装置の設置、エコキュートなどの高効率給湯器の設置などが具体的な例です。
ただし、全ての居室の窓全部を改修して、断熱仕様にする事が必須の条件となります。
窓のリフォームなしでは、他の工事を行った場合でも省エネリフォームとして扱われないので注意してください。
また、既に説明した通り、太陽光発電装置を設置する場合は減税の限度額が他の場合とは異なっています。
同居対応リフォーム
三世代以上が同居するために行うリフォームが、同居対応リフォームです。
具体的なリフォームの内容は、トイレや浴室、キッチンや玄関を増設する工事となります。
他にキッチンや浴槽付きの浴室があれば、ミニキッチンやシャワーのみの浴室を増築する場合でも大丈夫です。
ただし、増築を行ったとしても、リフォーム完了後に既存のトイレや浴室をなくす場合は減税制度の対象とはなりません。
あくまでも複数のトイレや浴室を用意するためのリフォームが、同居対応リフォームとして扱われます。
確定申告でリフォーム減税制度を利用するための手続き
確定申告でリフォーム減税制度を利用したいと考えてはいるものの、どんな手続きをすれば分からないという方もいるでしょう。
せっかく減税制度の対象になるにも関わらず、するべき手続きが不明なせいで機会を逃しては勿体ないです。
各制度によって多少の差はありますが、基本的な手続きの流れは以下のようになります。
1.利用出来る減税制度を確認した上で工事の内容を決める
2.リフォームの契約をする(減税制度の用件を満たしているか確認する)
3.リフォーム減税制度に必要な書類の作成を依頼する
4.リフォームが完了した後で必要書類を地方自治体や税務署に提出する
リフォーム減税を受けるために必要な書類
リフォーム減税を受けるためには、確定申告書の他にも書類を提出する必要があります。
耐震リフォームであれば住宅耐震改修証明書、バリアフリーリフォームや省エネリフォームであれば増改築等工事証明書を提出しなければなりません。
ただし、住宅耐震改修証明書や増改築等工事証明書を作成するには、さらに別の書類が必要になります。
住宅耐震改修証明書を作成する際に必要となる書類は以下の通りです。
・登記事項証明書などの所在地と建築年月日が確認出来る書類
・リフォーム後の耐震診断書などの現行の耐震基準を満たしている事が確認出来る書類
・リフォーム費用の領収書
増改築等工事証明書を作成する際に必要となる書類は以下の通りです。
・家屋の登記事項証明書
・工事請負契約書
・減税制度の要件を満たす事が確認出来る設計図など
・リフォームの工事内訳書・領収書
バリアフリーリフォームの場合、補助金の交付を証明する書類が必要となる事もあります。
リフォーム減税まとめ
リフォーム減税制度には、所得税の控除・固定資産税の減額措置・贈与税の非課税借置というように複数の種類があります。
所得税の控除は、投資型減税・ローン型減税・住宅ローン減税に分けられ、条件や控除の限度額に違いが存在する減税制度です。
減税制度を利用するには、工事の内容が耐震リフォームやバリアフリーリフォーム、省エネリフォームなどである事が求められます。
ただし、リフォームの種類ごとに一定の要件を満たす必要があるので注意してください。
確定申告でリフォーム減税制度を利用するには、リフォーム完了後に必要書類を提出する必要があります。
必要書類はリフォームの種類によって異なり、その書類を作成するための書類も用意しなければなりません。
基本的には、プロであるリフォーム業者が減税や補助金に関しては知っていますので、色々と聞いておくようにしましょう。
信頼のおける自分に合った業者を選ぶためにも、色々な業者と比較する事をおすすめします。
リフォーム費用の適正は?【見積もりが100万円以上安くなる!?】
リフォームを行う際、知り合いの業者、近くの業者など、見積もりを取ると思います。
しかし、業者によって大きく費用が変わってくるため、適当に業者選びする事は避けなければなりません。
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